「家の権利証が見当たらないのですが、大丈夫でしょうか?」
不動産の売却や相続のご相談の際によくいただくご質問です。
権利証をなくしてしまうと不安になりますが、結論から言うと、
権利証がなくても不動産を売ったり、手続きをしたりすることは可能です。
■権利証とは?
権利証とは、不動産の所有者であることを示す書類です。
正式には、
- 登記済証
- 登記識別情報通知
と呼ばれます。
以前は紙の権利証が発行されていましたが、現在は「登記識別情報通知」が交付されています。
■権利証をなくしたら再発行できる?
よくある誤解ですが、
権利証は再発行できません。
運転免許証やマイナンバーカードのように、法務局で再発行してもらうことはできません。
そのため、紛失しないよう大切に保管することが重要です。
■では、不動産は売れないの?
いいえ。
権利証がなくても不動産を売却することは可能です。
ただし、通常とは異なる方法で本人確認を行う必要があります。
■どのような方法があるの?
①司法書士による本人確認情報制度
司法書士が売主様と面談し、
- 本人確認書類
- 登記記録
- 不動産の所有状況
などを確認したうえで、本人確認情報を作成し登記申請を行う方法です。
権利証を紛失した場合に、実務上最も利用されている方法です。
※別途、費用が掛かります。
②事前通知制度
権利証がない場合、法務局から所有者へ確認の郵便を送り、その回答によって登記を行う「事前通知制度」という方法もあります。
ただし、
- 郵便を確実に受け取る必要がある
- 回答期限がある
- 手続きに時間がかかる
などの理由から、利用できる場面は限定的です。
特に不動産売買では、
- 売買代金の支払い
- 所有権移転登記
- 抵当権抹消登記
などを同日に行うことが一般的です。
そのため、事前通知制度を利用する時間的余裕がなく、実務上はほとんど利用されていません。
権利証を紛失している状態で不動産を売却する場合は、司法書士による本人確認情報制度を利用するケースが一般的です。
■相続の場合は?
相続登記では、ほとんどの場合、権利証は登記申請の必要書類ではありません。
そのため、
「亡くなった父の権利証が見つからない」
という場合でも、相続登記ができなくなるわけではありません。
ただし、権利証は不動産の内容を確認する資料として役立つことがあります。また、ケースによっては法務局へ提出することもあります。
そのため、権利証が見つかった場合には、相続登記のご相談時にあわせてお持ちいただくことをおすすめしています。
相続登記をご依頼いただく際にも、
「権利証が見当たらないのですが大丈夫ですか?」
というご質問をいただくことがありますが、多くの場合は問題なく手続きを進めることができます。
■売却予定がある方へ
権利証を紛失していても売却は可能です。
ただし、通常よりも司法書士による本人確認手続きが必要になるため、売却の予定がある場合は早めに相談されることをおすすめします。
売買契約の直前になって慌てるよりも、事前に確認しておく方が安心です。
■まとめ
権利証を紛失しても、
- 不動産を売却できなくなるわけではない
- 相続登記も可能
- ただし再発行はできない
という点を知っておくことが大切です。
また、事前通知制度という方法もありますが、実務上利用できる場面は限られており、売買では司法書士による本人確認情報制度が利用されることが一般的です。
権利証が見当たらず不安な場合は、お気軽にご相談ください。